書誌事項
- タイトル別名
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- An Approximate Expression for the Reaction Rate of the Clock-Reaction
説明
<p>化学教育のための反応速度論教材に多用されている時計反応においては,いまだ反応速度の表示法が確立されていない。本研究では反応速度のごく簡単な表示法として平均反応速度を定義し,これを代表的時計反応である二つの反応系,すなわち,(I)ヨウ素酸カリウム―亜硫酸水素ナトリウム系,および(II)ヨウ素酸カリウム―亜硫酸ナトリウム―硫酸系に適用してみた。平均反応速度Vaは,たとえば系(II)においては,次のように定義される。Va=-〔SO32-〕0/Δt ここで,〔SO32-〕0はSO32-の初濃度,Δtは誘導時間である。この定義に従うと,系(II)の実験結果から,系(II)は次のように整理される。VIIa =kI〔IO3-〕2〔SO32-〕〔H+〕2 H+が〔H+〕2の型で当該反応に触媒効果をもたらしているものと仮定すると,次の反応経路を想定し得る。 2IO3- + HSO3- ∧→ IO- + IO2- + SO42- + H+ IO- + HSO3- → I- + H+ + SO42- IO2- + 2HSO3- → I- + 2H+ 2SO42- 以上が本論文で定義した反応速度表示法によって系(II)の反応結果を整理した結果であり,得られた速度式から反応経路を想定し得た例である。しかし,同一の表示法を系(I)に適用したところ,反応経路の想定は,当該反応経路についてこれまで報告されている化学種のみの組み合せに限定すると,不可能であった。</p>
収録刊行物
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- 日本理科教育学会研究紀要
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日本理科教育学会研究紀要 25 (1), 85-90, 1984
一般社団法人 日本理科教育学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390863583850177408
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- ISSN
- 24330140
- 03899039
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可