肺空洞性結節を呈したウェステルマン肺吸虫症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of <i>Paragonimus Westermani</i> Infection with Lung Cavitary Nodules
  • ハイ クウドウセイ ケッセツ オ テイシタ ウェステルマン ハイキュウチュウショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

<p>症例は46歳の男性.2カ月前から続く血痰を主訴に入院したが,入院後には喀血をきたした.胸部CTでは左肺上葉に空洞を伴った結節影と肺門リンパ節の腫大を認め,肺癌の可能性も否定できず手術を行った.胸腔内には黄褐色に混濁した胸水が貯留し,壁側胸膜には血管の増生,白色の胼胝,赤褐色の斑点を瀰漫性に認めた.横隔膜には白色の胸膜肥厚および無数の小結節を認めた.病理組織学的所見では腫瘍内の壊死組織の辺縁部に短楕円形~三日月状となった卵殻様構造と内部に数個の核と好酸性の細胞質を持つ細胞塊を持った虫卵を認め,肺吸虫症と考えられた.抗寄生虫抗体スクリーニング検査ではウェステルマン肺吸虫症が最も疑われ,病理組織検査と合わせて診断確定した.ウェステルマン肺吸虫症は比較的稀な疾患であるが,肺腫瘤の鑑別疾患として念頭に置くべきである.</p>

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ