新型コロナウイルスの分離株を用いた抗原定性検査キットと抗原定量検査の比較検討

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タイトル別名
  • Comparative study of qualitative and quantitative antigen tests using SARS-CoV-2 isolates

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説明

<p>目的:2020年1月から日本でも感染が拡大したSARS-CoV-2は次々と変異し,主流株が移り変わってきた。今回,変異株に対する抗原検査の有用性について明らかにするために,SARS-CoV-2の分離株を用いて,抗原定性検査キットと抗原定量検査の比較検討を行った。方法:Vero E6/TMPRSS2細胞で分離したデルタ株(AY.54),オミクロン株(BA.2, BA.4, BA.5.2)の培養上清を試料とした。試料をPBS(−)を用いて希釈系列を作製し,各抗原定性検査キット及び抗原定量検査試薬の添付文書に従い実施した。結果:4種類の変異株を用いた検討の結果,抗原定性検査キットよりも抗原定量検査の方が検出感度がよい傾向にあったが,一部の抗原定性検査キットで抗原定量検査と同程度の検出感度が認められた。抗原定性検査キットの製品間の比較では,105~106 copies/40 μL程度で製品間に検出感度の差が認められた。変異株の違いによる検出感度に顕著な違いはなかった。結論:抗原定性検査キットの製品間で検出感度に差を認めたが,ウイルス量の多い時期にはいずれの検査キットでも検出可能であった。また,変異株の違いによる検出感度の差は少なく,オミクロン株でも抗原検査法が有効であることが示された。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (3), 411-416, 2024-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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