-
- 坂口 太一
- 日本低侵襲心臓手術学会(J-MICS) 兵庫医科大学心臓血管外科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Safety of Minimally Invasive Cardiac Surgery in Japan
この論文をさがす
説明
<p>2018年の保険償還後,肋間開胸低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery: MICS)の実施件数が急速に増加しつつあるが,同時にMICS関連合併症が社会的に注目されている.そこで,国内のMICSの安全性,特に心筋保護に関して,日本低侵襲心臓手術学会(J-MICS)が行ったアンケート調査結果に文献的考察を加えて報告する.回答が得られた97施設において,僧帽弁MICSにおける心筋保護液(CP)の種類は,血液CPが60施設,晶質性CPが21施設,両者の混合が16施設であった.投与間隔を30分以上に設定している施設は,del Nido液以外の血液CPで6%,晶質性CPで44% であった.右冠動脈への空気塞栓予防のため,大動脈基部の空気除去をCP追加投与時に行っている施設は94% で,僧帽弁逆流試験時に行っている施設は72% であった.日本心臓血管外科手術データーベース(JCVSD)によれば,僧帽弁MICSは正中切開と比較して手術時間は30分長くなるが,周術期心筋梗塞を含めた術後合併症発生率は同等であった.J-MICSでは,2024年からMICSレジストリーを開始し,横隔神経麻痺,片側性肺水腫,下肢虚血などMICS特有の合併症の発生頻度について,アニュアルレポートとして公表する予定である.2022年に導入されたMICS認定医・指導医制度も活用しながら,学会主導によるMICSの安全な普及を目指している.</p>
収録刊行物
-
- 日本心臓血管外科学会雑誌
-
日本心臓血管外科学会雑誌 53 (4), 163-168, 2024-07-15
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390864048383711872
-
- ISSN
- 18834108
- 02851474
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- OpenAIRE
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可