上腕骨近位部骨折に伴う上腕骨頭の下方亜脱臼の発生率について

Description

上腕骨近位部骨折後の上腕骨頭の下方亜脱臼はしばしば発生するものの,詳細な報告は少ない.本研究の目的はその発生頻度,リスク因子,改善率を調査することである.<BR> 上腕骨近位部骨折の症例333例を後ろ向きに調査した.検討項目は,上腕骨頭の下方亜脱臼の有無,年齢,性別,利き手,BMI,出現時期,消失時期,骨折型(Neer分類),腋窩神経損傷,手術の有無,脳疾患の既往の有無,抗凝固薬内服歴の有無である.上腕骨頭の下方亜脱臼の発生率は13.8%(333例中46例),平均年齢は72歳(19-96),男性7例,女性39例,利き手20例(43%)であった.出現時期は受傷後平均5日(0-14日),改善時期は受傷後平均8週間(2-24週),リスク因子としてBMI高値,より複雑な骨折系,脳疾患の既往,抗凝固薬の内服が関連していた.上腕骨頭の下方亜脱臼は全例で半年以内に改善していた.上腕骨頭の下方亜脱臼は上腕骨近位部骨折の13.8%で発生し,介入に関係なく半年以内に改善していた.

Journal

  • Katakansetsu

    Katakansetsu 48 (1), 63-66, 2024

    Japan Shoulder Society

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390864181045551488
  • DOI
    10.11296/katakansetsu.48.63
  • ISSN
    18816363
    09104461
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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