HIF-PH阻害薬導入前後における検査実施率と適正使用評価

  • 告野 葉子
    医療法人豊田会刈谷豊田総合病院 薬剤部
  • 伊藤 真史
    医療法人豊田会高浜豊田病院 診療技術室薬剤科
  • 木下 照常
    医療法人豊田会刈谷豊田総合病院 薬剤部 熊本大学大学院生命科学研究部臨床薬理学分野
  • 近藤 洋一
    医療法人豊田会刈谷豊田総合病院 薬剤部
  • 滝本 典夫
    医療法人豊田会刈谷豊田総合病院 薬剤部

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Test Implementation Rates and Appropriate Usage Pre- and Post-Introduction of HIF-PH Inhibitors
  • HIF-PH ソガイヤク ドウニュウ ゼンゴ ニ オケル ケンサ ジッシリツ ト テキセイ シヨウ ヒョウカ

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説明

<p>2019年11月より低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素阻害薬(以下、HIF-PH阻害薬)が腎性貧血に対し使用可能となり、適正使用のために、日本腎臓学会より「HIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendation」(以下、recommendation)が発出されている。内服薬である利便性から腎臓内科以外の診療科からの処方量も増加傾向にあるが、recommendationを踏まえた事前の検査がなされていない症例が散見された。そこで、本研究では2019年11月1日から2022年10月31日の36か月間に医療法人豊田会関連病院(刈谷豊田総合病院・刈谷豊田東病院・高浜豊田病院)にてHIF-PH阻害薬が導入された患者を対象に、導入前後の各種検査実施率および導入後のフォローアップ状況を後方視的にカルテ調査し、適正使用がされているか評価した。</p><p>その結果、HIF-PH阻害薬導入時におけるその他診療科の鉄動態測定率が60%であるのに対し、腎臓内科では85.7%と有意に高く、導入後の測定率においてもその他診療科では20%であるのに対し、腎臓内科では68.1%と有意差があった。鉄管理だけでなく、鉄剤調整においても腎臓内科の方が高確率にフォローがなされていた一方で、眼科受診率や導入後のHb測定率に関しては診療科を問わず低く、不十分であった。</p><p>本結果をふまえ、HIF-PH阻害薬適正使用推進のために、薬剤師による支援体制を整えることが重要であると考える。</p>

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