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- 三上 万理子
- 医療法人 けいしん会 横浜西口菅原皮膚科
書誌事項
- タイトル別名
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- Investigation of the effect of nemolizumab on pruritus in patients with atopic dermatitis
説明
アトピー性皮膚炎(AD)の瘙痒に対するネモリズマブの効果について後向き観察研究を行った.当院で2022年8月から2023年3月までにADに伴う, 既存治療で効果不十分な瘙痒に対してネモリズマブを導入した17例を対象に解析した. ネモリズマブ初回投与後3日以内に全例で1/2NRS(治療前NRSから1/2に低下)を達成し,7日以内に13例でNRS0/1(NRSが0又は1)を達成した.EASI-50/75/90(治療前EASIスコアから50/75/90%以上低下)は,28日以内に10例/6例/5例が達成した.血液学的検査では,IgE(7/12例),TARC(9/11例)及び好酸球(8/12例)の上昇傾向を認め,瘙痒の治療効果評価に適さないと考えられた.副反応として浮腫性紅斑を7例で,比較的細かい紅斑, 丘疹あるいは水疱を6例で,乾燥及び皮膚のつっぱりを2例で認めた. 一方,適する臨床症状を比較検討する目的のため, デュピルマブで治療した重症ADの24例を解析した結果では,半数で1/2NRS達成に14日以上を要し,NRS0/1は8例で未達であった.EASI-50/75/90は28日以内に24例中21例/8例/2例が達成した.血液学的検査ではデュピルマブ投与後にIgE(9/10例)及びTARC(10/10例)の低下を認め,好酸球は9/10例で変化しなかった.これらの結果から,瘙痒を素早く改善できる点がネモリズマブの特徴であることを示している.
収録刊行物
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- 日本臨床皮膚科医会雑誌
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日本臨床皮膚科医会雑誌 41 (4), 594-603, 2024
日本臨床皮膚科医会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390864634467152384
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- ISSN
- 1882272X
- 13497758
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可