<i>FLT3</i>遺伝子変異陽性成人急性骨髄性白血病の病態と治療

  • 石川 裕一
    名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Pathogenesis and treatment of acute myeloid leukemia with <i>FLT3</i> mutations

説明

<p>FLT3遺伝子変異は成人急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)の約30%程度と最も高頻度に認められる遺伝子異常である。FLT3-ITD変異はAMLにおける予後不良因子とされ,若年者では第一寛解期での同種造血幹細胞移植の実施が推奨されてきた。近年,FLT3阻害薬の臨床応用により,FLT3変異陽性AMLの予後の改善が報告されている。日本でも再発・難治例に対するgilteritinib,quizartinibの単剤で使用に加えて,2023年には未治療FLT3-ITD変異陽性AMLを対象にquizartinib併用強力化学療法が承認された。また,FLT3変異を標的とする微小残存病変評価の有用性,同種移植後の維持療法の有効性も報告されているが,一方で治療耐性に関わる新たな遺伝子変異の獲得も報告されている。このようにFLT3遺伝子変異はAMLにおける予後因子としてのみではなく,治療標的,治療反応性評価においても活用され,FLT3阻害薬による新たな治療戦略の構築によるFLT3変異陽性AMLの更なる治療成績の改善が期待される。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 65 (9), 945-953, 2024

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390864645557252864
  • DOI
    10.11406/rinketsu.65.945
  • ISSN
    18820824
    04851439
  • PubMed
    39358294
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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