高次脳機能障害の個別性はなぜ立ち上がるか─支援職と当事者がともに楽になる道─

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  • The Importance of Individuality in Cognitive Dysfunction After Acquired Brain Injury : A Path to Easier Coexistence for Support Workers and Affected Individuals

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<p>  高次脳機能障害を診断されて 9 年目となる筆者は, 当時者がこの障害と症状をどのように感じているのかを当事者なりの言葉で発信し, 9 冊の書籍にしてきた。だが, 著作へ感想を寄せた当事者や当事者を支える家族, 支援職から感じたのは, そのいずれもが苦しさを抱えていることだった。当事者は発症から時間が経つほどに症状そのものによる苦しさよりも, その症状を抱えつつ社会で生きることに伴う心理的な苦痛, 特に対人関係によるものを訴えるケースが多い。一方で支援職や家族は, 当事者の苦しさに手を差し伸べたいと願いつつも, 当事者の理解が困難であることで自責しているケースが多かった。当事者の苦しさは, 自身の苦しさを他者に理解してもらうことの難しさにあり, 支援職や家族の苦しさは当事者理解の困難にあるのであれば, 必要なのはこの障害の解像度を向上することだ。筆者は当事者との対話のなかで, その低い解像度の理由について考察した。 </p>

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