本能性把握反応の変化に伴い utilization behavior の表現型が変化した右前頭葉内側面損傷の 1 例─Utilization behavior の表現型と発現要因に関する考察─
書誌事項
- タイトル別名
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- Phenotypic Change of Utilization Behavior Due to Reduction of Instinctive Grasp Reaction in a Case with a Right Medial Prefrontal Infarction : Factors Related to the Expression of Utilization Behavior and Its Phenotype
説明
<p> 脳梗塞により使用 (利用) 行動 (UB) を呈した症例を報告した。偶発型 UB を認めた時期には, 両手の visual groping を伴う本能性把握反応 (IGR) と注意障害を認めた。右手の IGR が消失すると, 特定の誘発条件下で左空間に提示された道具を左手で持ち上げ, 右手に持ち替える UB へと変化した。この段階の UB は, 右手で道具を使用したことから, IGR から UB への直接的な連続性はないと考えられた。 これは道具の強迫的使用と異なる。IGR が減弱し注意障害も改善すると UB の出現は減少し, 注意障害が UB 発現に関与した可能性がある。本例は右前頭葉内側面と脳梁に病巣を認めた。しかし, 両手に IGR を認めた時期では, 右側に器質的損傷, 左側に遠隔効果による機能低下があり, 特に後者の改善により症状が変化した可能性がある。</p>
収録刊行物
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- 高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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高次脳機能研究 (旧 失語症研究) 44 (3), 218-227, 2024-09-30
一般社団法人 日本高次脳機能学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390864899861212928
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- ISSN
- 18806554
- 13484818
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可