植込型補助人工心臓治療の現状と在宅管理の課題

説明

<p> 植込型補助人工心臓(left ventricular assist device, LVAD)は、重症心不全患者の予後および生活の質を劇的に向上させるデバイスである。わが国では2011年に臨床使用が開始され、2022年末までに1300名を超える新規植込み手術が施行されている。LVAD患者は心不全症状から解放され、自宅に戻り、社会復帰も期待できるが、一方でLVADに伴う様々な合併症を予防するために在宅管理(セルフケア)が重要となる。</p><p> LVADの在宅管理において、日々の血圧測定は極めて重要な要素の一つである。LVAD患者の血圧高値は脳血管障害や心不全、大動脈弁逆流といった合併症と関連していることが知られており、最新のガイドラインでも平均血圧で75-90mmHgが推奨されている。患者は自宅で日々の血圧を測定して記録し、定期通院時に持参することが求められている。しかし、現在のLVADは遠心ポンプもしくは軸流ポンプを用いた連続流式であるため、多くの患者の脈圧は小さく、現在使用可能な家庭用血圧計では血圧測定が困難であったり、複数回の測定を余儀なくされたりする場合もある。</p><p> 本演題では、現在のわが国におけるLVAD治療の現状と、特に血圧管理に焦点を当てて在宅管理における問題点について概説する。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual62 (Abstract), 87_2-87_2, 2024

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390864899861744000
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual62.87_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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