待遇コミュニケーション研究からの社会貢献

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タイトル別名
  • Social Contribution from Taigu-Communication Research

説明

<p>本論考は,「待遇コミュニケーション」(以下,「TC」とする)という捉え方に基づく研究領域からの「社会貢献」について,主に日本語教育学の観点から考察したものである.2.でTC研究とは何かを述べた上で,3.では談話データに見られる人称表現を手がかりに,コミュニケーション主体の【前提】に注目することが,個人と社会の関わり方への追究を意味する点で,社会構築や社会貢献につながると考察した.4.では,TC研究において,学習者の語りに注目し,過去の経験や価値観から形成されるTC観にアプローチすることが,社会における人々の相互尊重と自己表現につながることを述べた.続く5.では,スピーチレベルを題材に,学習者の【前提】に注目したTC教育の授業実践例を取り上げ,自己の【前提】を問い直すと同時に,一人ひとりの【前提】が異なるという現実を知り,他者を尊重する寛容さを持つことや,摩擦を乗り越えるための解決策を自分なりに考える力を育むことがよりよい社会につながることを述べた.まとめとして,TCの実態やその教育を研究課題とすることによって,人と人とがどうつながっていくのか,相互尊重に基づく自己表現と他者理解とはどのようなことなのか,コミュニケーション主体の持つ【前提】と【場面】―意識―内容―形式の連動の姿とはどのようなものなのかを明らかにすることが,結果としてTC研究の社会貢献にもつながることを述べた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390865054699102592
  • DOI
    10.19024/jajls.27.1_47
  • ISSN
    21897239
    13443909
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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