久保野家文書等に基づく室津港の隆起量の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of Uplift at the Murotsu Port Based on Documents Including the Kubono Family Documents

この論文をさがす

説明

2013年地震調査委員会は南海トラフ沿いの大地震の今後30年間の発生確率を60~70%と評価した。この評価に際しては,公表前から強い批判,特に時間予測モデルの採用について,があったが,2001年評価と同様に久保野家文書に記された室津港の水深データを用いて評価がなされた。本論文において,原典となった久保野家文書を吟味したところ,複数の問題点が見つかった。すなわち,測深の精度を評価するための情報の欠如している。また,開港以来,ほぼ毎年工事が行われてきたことが確認された。既存の史料の情報および近年の潮位観測結果と総合すると,1707年宝永地震に伴う隆起は,1.4~2.4mの範囲と推定される。社会は,この不確定性を認識し,活用法を再検討する必要がある。

収録刊行物

  • 自然災害科学

    自然災害科学 42 (4), 387-404, 2024-02-29

    日本自然災害学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390865122802854144
  • DOI
    10.24762/jndsj.42.4_387
  • ISSN
    24341037
    02866021
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ