線形ガウス状態空間モデルを用いた神奈川県城ヶ島地先における海水温トレンドの推定

書誌事項

タイトル別名
  • Estimating sea temperature trends using a linear Gaussian state-space model in Jogashima, Kanagawa, Japan

説明

<p>海水温のトレンドを定量的に評価することは重要な課題であり,簡便に推定できつつも実現象との乖離が小さい分析モデルが望まれる.本研究では,神奈川県城ヶ島地先で25年間定点観測された海水温を対象として,線形ガウス状態空間モデルを用いて,トレンドを表す水準成分を,季節性及び黒潮の影響,トレンドの変化を考慮したうえで推定した.その結果,黒潮流路の変曲点が野島崎に近い流路をとる時,およびA型流路の時の秋・冬期に海水温の上昇を認めた.また,黒潮流路をモデルに組み込むことで,海水温の予測精度が向上した.海水温のトレンドは2007年までは下降傾向だったが,それ以降は上昇傾向に転じた.単純な線形回帰モデルでトレンドを推定した際,モデルの残差には有意な自己相関があり,線形回帰モデルの適用前提が満たされていなかった.海水温トレンドを分析するうえで,単純な線形回帰モデルの適用と結果の解釈には慎重になるべきであろう.</p>

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 88 (3), 190-199, 2024-08-25

    一般社団法人 水産海洋学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390865265014943360
  • DOI
    10.34423/jsfo.88.3_190
  • ISSN
    24352888
    09161562
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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