認知症の人の日常生活における保健医療福祉職による意思決定支援のスコーピングレビュー

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<p>目的:わが国の保健医療福祉職による認知症の人の日常生活上の意思決定支援の動向と支援内容を明らかにする。方法:医中誌Web版、CINAHL、MEDLINE、PubMed、Google Scholar、ハンドサーチにより文献収集をして、スコーピングレビューを実施した。結果:データベース間の重複文献を削除後、タイトルと抄録を精読して、選定基準を満たす6文献を選定した。認知症の人の日常生活における意思決定支援をしている保健医療福祉職は、地域を拠点に活動している専門職であった。支援対象者の認知症の人は、3文献では高齢者施設で生活する高齢者、うち1文献では認知症の程度が中程度か重度の人に限定していた。残りの3文献では、訪問看護を利用しながら在宅療養をしている人、認知症初期集中支援チーム員から支援を受けている人、成年後見制度の被後見人であった。保健医療福祉職による認知症の人の日常生活における意思決定支援の内容は、6コアカテゴリーが抽出された。その内容は、【認知症の人を尊重した関係性を構築する】【意思を捉える視点や判断基準を明確にして情報収集する】【認知症の人が意思を表出しやすい環境を整える】【意思確認の時機の見通しを立てる】【認知症の人の意思を実現する体制をつくる】【認知症の人の意思に沿っているか支援を評価する】だった。結論:認知症の人の日常生活における意思決定支援をする保健医療福祉職は、地域を拠点に生活の場へ赴いたり、施設などで長期的に関ったりしている人であった。認知症の人には、意思表出が困難な進行した認知症の人が含まれていた。今後は、診断の有無に関わらず早期から継続的に認知症の人の日常生活を支えている保健医療福祉職に焦点をあてて、保健医療福祉職の意図や判断といった思考過程も含めて意思決定支援の内容を明らかにしていく必要性が示唆された。</p>

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