大坐骨孔ヘルニアに対してヘルニア修復術を施行した1例

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タイトル別名
  • A case of surgical repair of greater sciatic hernia

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説明

症例は88歳,女性.左大腿骨頸部骨折に対して,当院で観血的整復固定術を施行された.術後16日目に肺炎を疑われ撮影されたCTで,右大坐骨孔ヘルニアを指摘され当科へ紹介となった.腹部骨盤造影CTでは右大坐骨孔をヘルニア門として小腸が脱出するヘルニアを認めた.腸管壁の造影効果は良好であり血流障害を認めず,その口側の腸管拡張も認めなかった.治療の緊急性がないと判断し,待機的にヘルニア修復術を施行する方針とした.腹腔鏡で病変部を確認し,併存ヘルニアが無いことを確認し,修復術は開腹操作で行った.術中所見として,15mm大の大坐骨孔をヘルニア門とする小腸の脱出を認めた.ヘルニア嚢を腹腔内へ翻転させ,ヘルニア門を縫縮した.術後経過は良好であり,術後9日目に軽快退院となった.坐骨孔ヘルニアは,坐骨孔をヘルニア門とした非常に稀な疾患であり,文献的考察を加えて報告する.

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