表面科学に基づくチタンの生体適合性発現原理

  • 塙 隆夫
    東京科学大学 大阪大学大学院工学研究科 神戸大学大学院医学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Principle of titanium biocompatibility based on surface science
公開日
2025-01-25
DOI
  • 10.18939/jsdmd.44.1_47
公開者
一般社団法人 日本歯科理工学会

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説明

<p>チタン (Ti) とTi合金の優れた生体適合性は,その高耐食性のみによるのではなく,他の要因とともに発現する.本稿では,Tiの耐食性および不動態皮膜を他の金属生体材料と比較し,不動態皮膜のバンドギャップエネルギー (Eg) と,生体組織の反応性との関係について説明する.材料表面科学の観点から,Tiの優れた生体適合性は次の要因から説明できる.高耐食性を示す不動態皮膜,不動態皮膜の強いn型半導体的性質,不動態皮膜の表面水酸基の解離による正電荷と負電荷の良好なバランス,不動態皮膜の低い静電引力による自然なコンフォメーションを維持したタンパク質の吸着,Ti上の不動態皮膜の低いEgによる最適な反応性,およびこの反応性によるリン酸カルシウム形成である.これらから,不動態皮膜による高い耐食性と適度な反応性の理想的バランスが,Tiの優れた生体適合性の発現原理であることを示す.</p>

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