一過性の意識減損を呈し定型欠神発作と鑑別を要したhyperventilation-induced high-amplitude rhythmic slowing with altered awareness(HIHARSAA)の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of hyperventilation-induced high-amplitude rhythmic slowing with altered awareness requiring differentiation from typical absence seizure
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説明
<p> Hyperventilation-induced high-amplitude rhythmic slowing with altered awareness(HIHARSAA)は,過呼吸負荷時に脳波上で高振幅かつ律動的な徐波化を生じ,意識変容を呈する現象であり,年齢依存性の非てんかん性生理現象と考えられている.今回我々は,脳波ビデオ同時記録検査でHIHARSAAと診断した4歳女児例を経験したので報告する.症例は,啼泣後の過呼吸時に一過性の意識減損を認め,精査目的に当院を受診した.来院時,意識清明で神経学的異常所見を認めず,頭部MRI・MRAで脳動脈主幹部の狭窄などの有意な異常所見を認めなかった.脳波検査では,発作間欠期に異常を認めなかったが,過呼吸負荷時に律動的な3~3.5Hz全般性高振幅徐波が突発的に出現し,脳波異常が出現する間,意識が朦朧となり,口をもぐもぐさせ,手を動かし,そわそわと落ち着かない様子を認めた.発作症状は定型欠神発作との鑑別が困難であったが,発作時脳波が棘波を伴わない律動性高振幅徐波であったことからHIHARSAAと診断し,無投薬で経過観察とした.HIHARSAAは稀な現象であるが,定型欠神発作と類似しており,両者の鑑別には脳波ビデオ同時記録が有用と考えられる.</p>
収録刊行物
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- 脳と発達
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脳と発達 57 (1), 45-48, 2025
一般社団法人 日本小児神経学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390866040574438400
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- ISSN
- 18847668
- 00290831
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可