自壊を伴う巨大甲状腺乳頭癌例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of giant papillary thyroid carcinoma with self-destruction
  • ジカイ オ トモナウ キョダイ コウジョウセン ニュウトウガンレイ

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説明

<p>甲状腺乳頭癌の進行は通常,緩徐である。今回,初診時に未分化癌を疑った巨大甲状腺乳頭癌例を経験した。症例は59歳男性。2年来,鶏卵大の右頸部腫瘤を自覚していた。1カ月前より腫瘤が急速に増大したため,当院を受診した。初診時,前頸部に自壊をきたした児頭大腫瘤を認めた。造影頸部CTでは,甲状腺右葉原発腫瘍と両側頸部の複数転移リンパ節が癒合した巨大腫瘤を認め,気管や食道への浸潤も疑われた。急速な増大と周囲臓器への浸潤傾向から未分化癌を疑い,3度生検を行ったが,いずれも甲状腺乳頭癌の診断であり,甲状腺全摘術,皮膚合併切除術,D3b郭清術,右胸三角筋皮弁再建術,右大胸筋皮弁再建術,腹部皮膚植皮術,気管皮膚瘻作成術を行った。術後永久病理検査でも未分化癌は認められなかった。甲状腺乳頭癌の根治治療で胸三角筋部皮弁と大胸筋皮弁の両方を用いた再建が必要となる例は稀と考えられ,若干の文献的考察を含めて報告する。</p>

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