障害者スポーツの病態解析と機器の開発の研究−バイオメカニクス研究を中心に−

書誌事項

タイトル別名
  • Pathological Analysis of Adaptive Sports and Study of Device Development -Focused on Biomechanics-
  • 障害者スポーツの病態解析と機器の開発の研究 : バイオメカニクス研究を中心に
  • ショウガイシャ スポーツ ノ ビョウタイ カイセキ ト キキ ノ カイハツ ノ ケンキュウ : バイオメカニクス ケンキュウ オ チュウシン ニ

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説明

<p>障害者スポーツの病態解析として,車いすテニスの障害発生要因に着目し,サーブ動作における体幹運動と上肢運動との運動特性について研究を行った.また,機器の開発につなげるため,車いすマラソンにおける駆動フォームと座圧分布について検討したので報告する.  車いすテニスの対象は車いすテニス選手2名および一般テニス選手(Normal)1名とした.車いすテニス選手のうち1名は,四肢麻痺を呈する選手(Quad)で,もう1名は対麻痺を呈する選手(Para)であった. 結果は,体幹運動について, Quadは,最大外旋(maximum external rotation;MER)時右側屈を示し,インパクト(impact;IMP)時Normalと比較して屈曲の減少および左回旋を示した.Paraは,MER時Normalと比較して左側屈,右回旋の減少および伸展を示し,IMP時左回旋・伸展を示した.上肢運動について,肩関節ではQuadは,MER時Normalと比較して肩関節伸展および肘関節屈曲の増加を示し,IMP時肩関節屈曲の減少,および肘関節屈曲を示した.Paraは,MER時Normalと比較して肩関節外転・屈曲の減少,肘関節屈曲の増加を示し,IMP時肩関節外転・屈曲の減少を示した.この結果から,体幹運動は上肢運動に影響を及ぼし,体幹機能低下により肩関節,肘関節へのストレスが増大し,障害を発生させる可能性があることが示唆された.また,本システムを使用して,車いすマラソン競技選手の駆動フォームの解析と圧座分布測定を行った.車いすマラソンの動作解析では,個別のチェックが可能となり,選手のより良いパフォーマンス向上に有用であった.今後は,より高速な動作に対応した解析手法を検討している.</p>

収録刊行物

  • デサントスポーツ科学

    デサントスポーツ科学 37 (0), 35-42, 2016-06-03

    公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団

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