行動経済学的要因が日本人の結婚行動に与える影響
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- 鈴木 亘
- 学習院大学経済学部教授
説明
<p>本稿は,筆者らの研究班が企画し,内閣府経済社会研究所が2024年3月に実施したアンケート調査(「少子化・女性活躍の経済学研究」に向けたアンケート調査)を用いて,行動経済学的要因が日本人の結婚行動に与える影響について分析を行った.その結果,①男女とも,危険回避的であるほど,結婚のタイミングが遅くなる,②男性で,双曲割引を持つ場合には,結婚のタイミングが早くなることがわかった.一方,③時間割引率が結婚のタイミング及ぼす影響は確認できなかった.このうち,①の結果については,主な先行研究とは異なる結果であり,注目される.しかし,危険回避度が高い人々は,交際相手がいる(いた)割合が低く,出会いや婚活の活動状況も低調である.出会い・交際の段階の消極さが,結婚の遅れに影響している可能性が高い.行動経済学的要因を考慮してリスクグループを特定し,適切な情報提供等のナッジを行えば,効率的な結婚支援になる可能性がある.</p>
収録刊行物
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- 行動経済学
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行動経済学 17 (Special_issue), S25-S28, 2025-03-21
行動経済学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390866570018694784
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- ISSN
- 21853568
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可