大友遺跡ならびに広田遺跡から出土した人骨におけるミトコンドリアDNA分析

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タイトル別名
  • Ancient mitochondrial DNA analysis of skeletal remains excavated from the Otomo archaeological site in Saga Prefecture and Hirota archaeological site in Kagoshima Prefecture, Japan

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本研究では,弥生時代早期から古墳時代後期併行期において,それぞれ西北九州型と南九州型の形態的特徴を持つ佐賀県の大友遺跡と鹿児島県の広田遺跡から出土した人骨から古代DNA を抽出し,ミトコンドリアハプログループの分析を行った.大友遺跡では縄文人由来とされるミトコンドリアハプログループが複数体,検出された.これは弥生時代早期から古墳時代初期においても当地において母型的に縄文人由来の遺伝型を持つ人びとが存在していたことを表している.一方,東アジア大陸部・朝鮮半島からの渡来人型と考えられるハプログループも検出され,縄文時代終末期から弥生時代早期に渡来系の流入の可能性も示すが,抽出DNA の状態が良好でないため,今後の詳細な分析結果を行い,判断する必要がある.広田遺跡においても縄文人由来と考えられているミトコンドリアハプログループが大半を占めた.本研究では弥生時代中期から古墳時代後期並行期の人骨を対象としたが,この時期においても本遺跡の人びとの多くが縄文人由来の遺伝要素を色濃く残していた可能性を示唆する.また,弥生時代以降の移入,もしくはこれまでの分析では縄文時代から存在していたが検出されてこなかったと考えられるB4というグループも複数体で検出されており,この母型の人びとがいつ頃から種子島に移入してきたのか興味深い. / 今後,これら資料の核ゲノム分析などを進めることで,九州北部から琉球列島におけるさらに詳細な遺伝的変遷の推定を予定している.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390866882737455360
  • NII書誌ID
    AA11909273
  • DOI
    10.15017/7343682
  • HANDLE
    2324/7343682
  • ISSN
    13483080
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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