現代インドにおける亡命チベット女性の立場の複雑性

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インドに難民として暮らす亡命チベット社会における女性の立場を検証することが本稿の目的である。難民として祖国を後にしたチベット女性は、亡命という未曽有の危機的状況を経て、従来の生活圏で形成されていた集団の文化的ポリティクスと結びつく伝統的な女性の地位・役割を継承しつつ、越境した先の亡命社会において、従前とは全く異なる気候風土・文化・社会の中で、新しい地位と役割を築くことになった。亡命チベット社会の近代化とともに教育を受けて社会進出し、自由で力強い女性としてチベット・ナショナリズムの担い手としても活躍するが、同時に、家を守るという伝統的な役割や強い母性も求められるという重層的な規範の中で生きている。

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