右胸壁巨大神経鞘腫切除後に乳糜胸を来した1例

  • 塚本 遥
    東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
  • 尾高 真
    東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
  • 仲田 健男
    東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
  • 矢部 三男
    東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
  • 秋葉 直志
    東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
  • 大塚 崇
    東京慈恵会医科大学附属病院外科学講座呼吸器,乳腺・内分泌分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of chylothorax after resection of right chest wall giant schwannoma

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抄録

<p>症例は66歳,女性.胸部レントゲン異常陰影を指摘され当院を紹介受診した.胸部CT検査で右胸腔尾側に長径12 cmの腫瘍を認めた.胸部MRI検査にてT1強調画像で高信号,T2強調画像で低信号を示し囊胞性腫瘍を疑う所見であった.腫瘍摘出術を施行し神経鞘腫と診断した.術翌日より約1,000 ml/dayの乳糜排液を認め乳糜胸と診断した.絶食・高カロリー輸液を行ったが改善を認めないため,術後7日目に胸腔鏡手術を施行した.腫瘍剥離面の横隔膜に近い胸壁から乳糜が漏出する索状物を見出しクリッピングした.腫瘍剥離部の頭尾側で胸管をクリッピングした.その後にも胸壁からわずかに乳糜漏を認めたため,可及的にクリッピングし漏出部位を閉鎖した.術後約200 ml/dayの乳糜漏が持続し,再手術後14日目にOK432 10KEで胸膜癒着術を施行し乳糜胸は停止した.右胸壁巨大神経鞘腫術後に胸壁から乳糜漏を来した稀な症例を経験した.</p>

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参考文献 (2)*注記

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