手術体位が原因で生じた左腕神経叢損傷による疼痛に対して腕神経叢ブロックが奏効した1症例

書誌事項

タイトル別名
  • Brachial plexus block improved refractory pain due to intraoperative position-related nerve injury: a case report
  • 症例 手術体位が原因で生じた左腕神経叢損傷による疼痛に対して腕神経叢ブロックが奏効した1症例
  • ショウレイ シュジュツ タイイ ガ ゲンイン デ ショウジタ サワン シンケイソウソンショウ ニ ヨル トウツウ ニ タイシテ ウデ シンケイソウブロック ガ ソウコウ シタ 1 ショウレイ

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説明

<p>【症例】20代の男性.現病歴:左前縦隔腫瘍に対して胸腔鏡補助下腫瘍切除術を施行した.手術体位は右半側臥位,左上肢挙上(離被架吊り下げ)で同体位での固定時間は約8時間であった.全身麻酔覚醒直後より左上肢の疼痛と感覚・運動障害を認めた.術後7日目の腕神経叢の造影MRIで左腕神経叢の腫大がみられ腕神経叢損傷と診断された.運動障害が改善したため術後9日に退院となった.術後よりメコバラミン,プレガバリン(300 mg/日),トラマドール(200 mg/日)を内服していたが,退院後に左上肢痛が増強し術後43日に当科紹介受診となった.初診時現症:左前腕外側から母指の感覚障害と強い痛みがあり,運動障害も軽度みられた.治療経過:内服薬追加の希望はなく,腕神経叢ブロック(斜角筋間法)(1%メピバカイン,デキサメタゾン)を数回施行した後,疼痛は消失した.【まとめ】本症例は,手術体位による左腕神経叢損傷による神経障害性疼痛と考えられた.また画像所見から同部位に神経炎症が残存していると推測された.腕神経叢ブロックを施行することで早期に痛みが改善された.</p>

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