Persistentラジカル平衡を利用したVitisin AとDの全合成
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- 長尾 一哲
- 金沢大学医薬保健研究域薬学系
抄録
Resveratrolおよびその多量体は抗炎症作用,免疫調節,細胞毒性をはじめとして様々な生理活性を有する天然物である.多量体は,Resveratrolもしくは二量体であるε-Viniferinから生じるフェノキシラジカルを経由して生合成される(図1A).しかしながら,このフェノキシラジカルは複数の反応点を有しているため,生合成を模倣した合成戦略は困難であった.<br>StephensonとPrattらは,この制御の難しいラジカルに嵩高い置換基を導入することで扱いやすい長寿命な(persistent)ラジカルとし,生合成を模倣した四量体Nepalensinol BとVateriaphenol Cの全合成を達成している.最近,彼らはこのpersistentラジカルが平衡をもつことを見いだし,不可逆的な環化反応と組み合わせることで,Resveratrolの四量体であるVitisin AとDの初の全合成に成功したので,本稿で紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Keylor M. H. et al., Science, 354, 1260-1265(2016).<br>2) Romero K. J. et al., Chem. Soc. Rev., 47, 7851-7866(2018).<br>3) Romero K. J. et al., J. Am. Chem. Soc., 142, 6499-6504(2020).
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 56 (12), 1130-1130, 2020
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1391130851444752512
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- NII論文ID
- 130007948654
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可