骨粗鬆症性椎体骨折における後壁損傷の自然経過に関する検討

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抄録

<p>【はじめに】骨粗鬆症性椎体骨折(Osteoporotic Vertebral Fracture以下OVF)の後壁損傷は遷延癒合や偽関節の危険因子という報告が散見される5)6).後壁損傷の治癒経過に関して調査したので報告する.【対象と方法】2017年4月から2018年3月に当院入院となった後壁損傷を伴うOVF患者30例30椎体を対象とし,受傷1カ月後の後壁癒合をレントゲン,CT multi planar reconstruction(MPR)像で骨癒合が得られた群,骨性架橋あり群,癒合なし群の三群にわけ,腰椎YAM値,荷重下局所後弯角,後壁高,楔状率,椎体の半定量診断法(semi-quantitative assessment:以下SQ法)1),椎弓根骨折の有無について後ろ向きに調査,評価した.【結果】30例中19例で骨癒合を認めた.骨性架橋ありと判断した9例は軸位断面のみ連続部位を欠いていたが,冠状断面,矢状断面での骨性架橋は認めていた.30症例中6例;20%で椎弓根骨折を合併しており,楔状率50%未満の項目のみ骨癒合群とそれ以外で有意差を生じた.【考察】椎体形成を必要とする偽関節リスクの高いOVFを評価したが,椎体後壁は4週で骨癒合が得られることが示唆された.</p>

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