中国における海面養殖業の展開と漁場利用の問題点

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Marine Aquaculture Industry and Some Problems of Aquaculture Ground Utilization in China
  • 中国における海面養殖業の展開と漁場利用の問題点--福建省福州市の事例を中心として
  • チュウゴク ニ オケル カイメン ヨウショクギョウ ノ テンカイ ト ギョジョウ リヨウ ノ モンダイテン フッケンショウ フクシュウシ ノ ジレイ オ チュウシン ト シテ
  • 福建省福州市の事例を中心として

この論文をさがす

抄録

<p>中国の漁業生産は改革開放政策以後著しく発展しているが,とくに養殖漁業は中国漁業生産量の72%に及んでいる。しかし,養殖漁業の発展にともなう問題も多い。</p><p>ここでは,福建省福州市の事例を取り上げて,海面養殖業の展開と漁場利用の問題点を考察した。福建省の海面養殖業は遼寧省,山東省,広東省などに比較して漁場生産性は高いものの,労働生産性が低いことを特徴としている。 福州市は,漁業生産額が178.8億元で,農牧林業生産額の51.6%を占める漁業が重要な地域である。福清市三山鎮は漁業生産量の72.5%を養殖漁業がしめ,養殖業を中心とする鎮である。養殖の種類も貝類,甲殻類,藻類,魚類など多種多様なものが生産されているが,貝類の比率が最も多く重要な位置をしめている。</p><p>養殖漁業の漁場利用は中華人民共和国漁業法(1986年施行)により規定されているが,人民政府が漁場利用の許認可の権限を行使している。また,海域使用管理法(2002年施行)により,福建省では海域使用管理条例(2006年施行)を定め,養殖漁業もこの条例にもとづいて規制されているが,福州市の養殖漁業の大部分は複合養殖であり,漁場は過密となり,養殖経営は不安定な状況で行われている。漁場環境の悪化を防止し,漁場環境の保全の強化を図る対策が必要となっている。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ