「世界市場」を目指すカナダ産ズワイガニの分析

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タイトル別名
  • Analysis of Canadian Snow Crab Aiming at ‘World Market’
  • セカイ シジョウ オ メザス カナダサン ズワイガニ ノ ブンセキ

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抄録

<p>2005年の世界のズワイガニ漁獲量は16.6万トンで,そのうちカナダの漁獲量が57.4%を占めている。そして,カナダはそのズワイガニのほぼ全量を加工・冷凍の上で輸出している。一方,世界のズワイガニの消費量は,日本と米国が約48%ずつと二分している。ズワイガニの「世界市場」とは,セクション(カニを縦半分に切断した形態)を指している。カナダは1990年代に「世界市場」において一定の地位を確立したが,効果的なマーケッティング活動が出来るまでには至っていない。カナダが「世界市場」において地位を確立した要因は,①漁獲量そのものが急増したこと,②にアラスカでの資源減少によって代替品として米国市場で地位を得たこと,③日本の技術指導の下でミートからセクション加工に転換していたために米国市場に参入できたことである。現在では米国市場向けが60%程度,中国での再加工後の日本再輸出仕向けを含む日本市場向けは25~30%程度となっている。カナダ産ズワイガニは日本市場においては「ガルフもの」と「Newfoundlandもの」が識別されており,前者がセクションのままで流通する高級品とされているの対し,後者は中国で再加工され日本に再輸出されている。このため「ガルフもの」の加工業者は日本市場向けに対してのみ異なる製品展開(例えばガス凍結,小容量パック)を行っている。一方,米国市場では,両者の差はそれほど認識されていない。</p>

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