非穿孔型の広範な歯根内部吸収を認めた上顎右側中切歯の1症例
書誌事項
- タイトル別名
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- Endodontic Management of the Maxillary Right Central Incisor with Extensive Internal Root Resorption without Perforation
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抄録
<p> 目的 : 外傷に起因すると考えられる非常に緩慢な進行かつ広範な歯根内部吸収を伴うにもかかわらず穿孔を認めなかった上顎右側中切歯に対し, 非外科的対応にて処置を行い, 良好な治療経過を得た症例を経験したので報告する.</p><p> 症例 : 40歳男性. かかりつけ歯科医院にて, 上顎右側中切歯に内部吸収を指摘され, 精査目的に当科を紹介された. 約15年前に自転車で転倒し, 前歯部を強打, 亜脱臼と思われる歯の変位があったため, 自分の手指にて整復したとのことだった. 患歯には, 処置時期は明確ではないが, 隣接面・唇面にコンポジットレジン修復を認めた. 自覚症状ならびに, 水平垂直ともに打診痛はなく, 頰側根尖相当部歯肉にsinus tractを認めた. 歯科用コーンビームCT (CBCT) による画像検査の結果, 歯髄腔は内部吸収によると思われる拡大像を呈しており, 唇側の皮質骨の膨隆および断裂を伴う根尖病変が認められた. 根管壁に穿孔は認められなかった.</p><p> 治療経過 : CBCT所見より, 根管壁に穿孔がなかったため, 通法に従い根管治療を行った. 根管内に残存した壊死歯髄などの有機質を次亜塩素酸ナトリウムで溶解除去しつつ, 手術用顕微鏡下で根尖へのアプローチを図った. 歯面処理などが到達困難と思われる根尖部根管を含めた歯髄腔の根尖側およそ1/3を, オブチュレーションによりガッタパーチャを充塡した. その上部にファイバーポストとポストレジンにて築造を行い, 口蓋側の髄腔開拡部にコンポジットレジン修復を行った.</p><p> 結論 : 症例は, 広範囲に空洞化した歯根部の脆弱化が予想され, 破折リスクも高いと考えられた. そのため, 接着性修復により機械的物性の向上を図った. CBCTの使用は, 広範囲に及ぶ内部吸収の診断と治療にきわめて有効であることが示された.</p>
収録刊行物
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- 日本歯科保存学雑誌
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日本歯科保存学雑誌 63 (5), 445-450, 2020
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1391130851449725184
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- NII論文ID
- 130007933327
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- ISSN
- 21880808
- 03872343
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可