ARMSにおける発症閾値下の精神症状の改善と関連する脳内の変化

書誌事項

タイトル別名
  • Biological background of resilience associate with amelioration of sub threshold psychotic symptoms with At risk mental state (ARMS)

説明

統合失調症では、多彩な精神病症状が生じるが、その背景として、脳内の様々なアブノーマリティが関連することが明らかになっている。統合失調症の発症は陽性症状が発症の閾値を超えたか否かで判断されるが、近年、発症閾値下の精神病症状を呈する精神病発症危険状態 (At risk mental state: ARMS)においても、脳内において様々なアブノーマリティが生じることが明らかになっている。 ARMSのうち、30%前後が、後に統合失調症などの精神病を発症するが、我々は残りの70%の、後に精神病を発症しない群(非発症群)においても、脳梁の白質の統合性が低下するという生物学的アブノーマリティが生じている可能性を示した。一方、脳梁の白質の統合性の低下は、閾値下の精神病症状の改善とともに、改善する可能性も示した(Katagiri, 2015)。これは、脳梁の白質の統合性の改善が発症閾値下の精神病症状の改善や発症の阻止と関連する可能性を示唆するものである。本項においては、統合失調症やARMSにおける脳内のアブノーマリティに関するこれまでの報告、ARMSにおける発症閾値下の精神症状の改善と関連する脳内の変化についてまとめた。

収録刊行物

  • 予防精神医学

    予防精神医学 1 (1), 17-29, 2016

    日本精神保健・予防学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1391130851453528960
  • NII論文ID
    130007949541
  • DOI
    10.24591/jseip.1.1_17
  • ISSN
    24334499
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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