S状結腸癌に対する大腸ステント追加留置により食道静脈瘤,肝細胞癌に対する治療継続が可能であった肝硬変の一例

  • 山本 佳穂
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 臨床研修センター
  • 小澤 俊一郎
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科
  • 中本 悠輔
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科
  • 北川 紗里香
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科
  • 野口 陽平
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科
  • 高橋 秀明
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科
  • 松本 伸行
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・肝臓内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Quaternary Stent-in-Stent Insertion for Obstructing Colorectal Cancer Complicated with Liver Cirrhosis, Hepatocellular Carcinoma, and Esophageal Varices

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説明

<p>症例は70歳男性。アルコール性肝障害とC型肝炎に起因する肝硬変,肝細胞癌,食道静脈瘤のため,当院での加療歴があるが通院を自己中断していた。最終受診から2年後に腹痛,血便あり他院に救急搬送された。精査の結果,S状結腸癌による大腸閉塞と診断されメタリックステント (self-expandable metallic stent: SEMS) を留置され退院となった。肝疾患の精査加療を目的に当院を紹介され入院となった。精査の結果,肝硬変 (Child-Pugh; Grade B),肝細胞癌 (cT3N0M0, cStage III),食道静脈瘤 (Ls, F2, Cb, RC0, Te),S状結腸癌 (cT3N3M0, cStage IIIb) の診断となった。肝病態を考慮すると,大腸癌の根治的治療は難しいと判断し,保存的加療を行うこととした。食道静脈瘤には内視鏡的食道静脈瘤硬化療法,肝細胞癌には肝動脈化学塞栓療法を施行した。それぞれの治療後に大腸癌のstent内へのingrowthと口側結腸の拡張を認め2回目,3回目のSEMS追加留置を行った。肝動脈化学塞栓療法から2か月後,腹部膨満感が再度出現し来院し,SEMS内へ腫瘍のingrowthを認めたため,4回目のSEMS留置を行った。その後,肝細胞癌の進展による肝予備能の低下を認めたため,緩和ケアの方針となり,初回ステント留置から369日後,肝細胞癌により死亡した。</p>

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