凝固異常を呈した多発外傷例を胸腔鏡下で止血した一例

DOI Web Site 参考文献3件 オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple traumas with coagulation abnormality treated by video-assisted thoracoscopy

この論文をさがす

説明

<p>胸部外傷は多発外傷での合併率が高く致死的になりうる重要な外傷である.今回,凝固異常を呈した多発外傷の持続的な出血を,胸腔鏡を併用した最小限の創部で効果的に止血することができた症例を経験したので報告する.症例は89歳,男性.交通事故で胸腹部を受傷.横隔膜損傷,脾損傷,腸間膜損傷を認め緊急開腹手術と経腹的横隔膜修復,胸腔内観察を行った.閉創後に胸腔ドレーンからの出血が持続するため胸腔鏡併用下で再度手術を行い,血胸の出血の責任部位を胸腔鏡で観察して特定しピンポイントに止血することで,開胸創を最小限に抑えつつ止血することが可能であった.胸部外傷における緊急手術の主体は開胸手術であるが,凝固異常存在下で創部を小さくすることで出血持続リスクを下げ手術侵襲を抑えることができた.循環動態は安定しているが,凝固異常存在下で持続的な出血が見られる胸部外傷症例では胸腔鏡併用での手術が有用であると考えられる.</p>

収録刊行物

参考文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ