P-1-A14 医療的ケアの必要な重症心身障害児に対する効果的な遊びと課題

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目的 本研究は、重症心身障害児と関わる看護師や保育士が、どのように遊びを提供し評価しているのか明らかにし、重症心身障害児との効果的な遊びと課題について検討することを目的とした。 研究方法 重症心身障害児(者)施設で働いている看護師5名、保育士4名を対象とし、インタビューガイドに基づく半構成的面接を行った。研究の依頼にあたり、本研究の趣旨を文書と口頭で説明し、文書による同意を得た。遊びについてのインタビュー内容を、実施状況、評価、大切なこと、課題の4項目に分類し整理した。 結果 1.遊びの実施状況について、遊びの目的は、成長発達を促す、自発性を促す、安寧をはかる、ストレスの緩和があり、さらに保育士は愛着形成の基盤を作る、看護師は機能の維持と促進、生活習慣の獲得であった。保育士は、保育時間を個別に設定し集団保育をおこなっており、看護師はケアの最中にも遊びをおこなっていた。 2.遊びの評価については、表情、眼や手足の動き、緊張、酸素飽和度、心拍数を観察しており、さらに看護師は発声も観察していた。また、新しい遊びを実施したり、定期的に関わることで反応を引き出していた。 3.遊びを提供する上で大切なことについては、事故予防、感染予防、他職種との連携、家族との関わりが挙げられた。 4.遊びにおける課題について、保育士は保育時間を設定しにくいと感じており、看護師は遊びを提供する時間が少ない、反応のはっきりしている患児との関わりが多くなりがちになっていた。 考察 重症心身障害児の特徴をふまえて、目的意識をもって遊びを実施することが大切である。看護師は忙しくて遊びの時間がないと捉えており、ケアの最中にもできる遊びを考えることが必要である。そして、効果的な遊びを実施するためには、遊びについての環境や姿勢の改善、他職種や家族と連携をとることが大切であると考えられる。

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