<i>recA</i>遺伝子の破壊による曳糸性の安定化した納豆菌の分子育種

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タイトル別名
  • Stabilization of <i>γ</i>-PGA Production by a <i>recA </i>Mutant in <i>Bacillus subtilis</i>
  • recA遺伝子の破壊による曳糸性の安定化した納豆菌の分子育種
  • recA イデンシ ノ ハカイ ニ ヨル エイシセイ ノ アンテイカ シタ ナットウキン ノ ブンシイクシュ

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抄録

<p>納豆は特有の曳糸性を大きな特徴とする日本の伝統的な発酵食品である.この糸の主成分はポリ-γ-グルタミン酸(γ-PGA)であり,発酵中に納豆菌によって生産される.納豆菌の γ-PGA生産能は,ゲノム中に存在する挿入配列ISが二成分制御系因子をコードするcomP遺伝子座に高頻度に転移することによって容易に喪失する.納豆菌のIS転移が形質転換培地で高頻度に生じることやrecA遺伝子依存的な転移が見られる納豆菌ISが存在することから,納豆菌recA遺伝子破壊株を単離して解析を行った.継代培養を繰り返すと,親株では12代継代後に91 %のコロニーが γ-PGA生産性を喪失したのに対し,recA遺伝子破壊株では γ-PGA生産性を喪失したコロニーは検出されなかった.また,comP遺伝子座への転移をPCRにて確認したところ,親株ではISの転移が確認されたが,recA遺伝子破壊株では転移は検出されなかった.更に12代継代後の菌株集団を用いて納豆を製造したところ,recA遺伝子破壊株に比べて親株の γ-PGA生産量が1/10未満に低下していた.以上のことから,recA遺伝子破壊は納豆製造における曳糸性を安定化させる技術として有用であると考えられた.</p>

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