ペルオキシソームにおける脂肪酸酸化の役割

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タイトル別名
  • Roles of peroxisomal oxidation of fatty acids
  • ペルオキシソーム ニ オケル シボウサン サンカ ノ ヤクワリ

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抄録

ミトコンドリアとペルオキシソームはいずれも脂肪酸酸化をつかさどるオルガネラである.両オルガネラにおける脂肪酸β酸化で得られる産物はいずれもアセチルCoAであり,ミトコンドリアではそれが直接エネルギー産生に用いられることから,ペルオキシソームはミトコンドリアのエネルギー産生を補助する役割を担うと考えられてきた.しかし,ペルオキシソーム病の解析から極長鎖脂肪酸やフィタン酸はペルオキシソームでのみ酸化されることが明らかになった.また,胆汁酸やドコサヘキサエン酸(DHA)はペルオキシソームで生合成されることなど,ペルオキシソームの脂肪酸酸化は独自の役割を担っており,脂質の分解と生合成および異物代謝に果たす役割が大きいことが明らかとなっている.本稿ではペルオキシソームにおける脂肪酸の酸化に焦点を当て,さまざまな脂質がペルオキシソームで酸化される意義や他のオルガネラとの連携について紹介したい.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 92 (5), 632-639, 2020-10-25

    公益社団法人日本生化学会

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