腹腔鏡下胃全摘後縫合不全による胸腔内穿破に対し灌流療法が奏効した1例

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  • A Case Report; Successful Perfusion Therapy for an Intrathoracic Perforation due to Anastomotic Leakage following a Laparoscopic Total Gastrectomy

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抄録

<p>症例は74歳の男性で,胃癌の診断に対し腹腔鏡下胃全摘・Roux-Y再建を行った.術後2日目に背部痛が出現,急激な呼吸不全をきたし精査にて食道空腸吻合部の縫合不全から左胸腔内穿破に伴う膿胸との診断に至り,速やかに人工呼吸管理と胸腔穿刺によるドレナージ治療を開始した.術後9日目から胸腔ドレーンチューブを用いた灌流療法を導入し,第14日目には人工呼吸器管理から離脱できた.引き続き灌流療法を継続し,術後29日目には瘻孔の閉鎖が確認され第30日目より経口摂取を開始した.その後再燃なく経過し,第44日目に退院となった.胃全摘後の縫合不全から胸腔内穿破をきたし縦隔炎・膿胸を発症した症例の報告は少なく,灌流療法は同病態において再手術を回避しうるひとつの治療オプションと考えられたため,若干の文献的考察を加え報告する.</p>

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