左肝動脈神経叢から発生した神経鞘腫の1例

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  • A Case of Schwannoma Arising from the Nerve Plexus around the Left Hepatic Artery

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抄録

<p>症例は47歳の女性で,健診の腹部超音波検査にて肝尾状葉腹側に境界明瞭内部均一な長径43 mmの低エコー腫瘤を指摘され,精査目的に当院を受診した.腹部造影CTでは造影効果に乏しく,造影MRIではT1強調画像にて低信号,T2強調画像にて高信号であった.周囲への圧排や浸潤は認めなかった.神経鞘腫と診断し,半年ごとの画像検査によるフォローとした.初診時より2年半後までに腫瘍は経時的に増大し(56×35×23 mm),周囲脈管への圧排所見も認められたため,手術の方針とした.審査腹腔鏡にて,腫瘍が肝臓や肝十二指腸間膜と可動性があることを確認し,切除可能と判断し開腹に移行した.腫瘍は左肝動脈周囲神経叢と癒着していたが,動脈を温存し腫瘍を摘出した.腫瘍は免疫組織学的染色でS-100蛋白陽性であり神経鞘腫と診断した.左肝動脈神経叢由来の神経鞘腫は非常にまれであり報告する.</p>

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