「出稼ぎ母村」における青壮年漁業者確保の条件

書誌事項

タイトル別名
  • The Conditions for Keeping the Number of Young and Middle Aged Fishermen in the Fishing Village for Returning Immigrants
  • 「出稼ぎ母村」における青壮年漁業者確保の条件--和歌山県東牟婁郡太地町を事例として
  • デカセギ ボソン ニ オケル セイ ソウネン ギョギョウシャ カクホ ノ ジョウケン ワカヤマケン ヒガシムログン タイジチョウ オ ジレイ ト シテ
  • A Case Study of Taiji-cho in Wakayama Pref.
  • 和歌山県東牟婁郡太地町を事例として

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抄録

<p>本研究の目的は、高齢化が進みやすい就業構造を有するかつての「出稼ぎ母村」において、青壮年漁業者を獲得するための条件を明らかにすることである。対象事例地域としては、典型的なかつての「出稼ぎ母村」でありながら、一定の青壮年が存在する和歌山県東牟婁郡太地町を取り上げ、以下のことを明らかにした。</p><p>①太地町では、もともと村張り的定置網組合や小規模捕鯨業などの、地域資源を生かした雇用機会・技術が存在した。加えて、南氷洋捕鯨モラトリアム以降、地域資源や技術を利用した沿岸漁業・地域内産業等の就労機会が、町を挙げて創設されてきた。</p><p>②最近のUターン漁業者は、出稼ぎ母村から沿岸漁船漁村への再編期に創設された追い込み網漁業を中心にしながら、もともとの地先漁業を組み合わせ、新たな漁業にも着手することで、周年漁業就業が可能となっている。また追い込み網漁業後継者でなくとも、定置網組合への雇用や、地域内就労機会を組み合わせることで、周年、漁業を中心とした地域内就業が達成できている。</p><p>③このような要因により、参入前の所得である建設業労働などの外部労働市場における賃金水準と均衡する、一定水準の所得を確保できている。その結果、外部からの Uターン漁業者を確保できている。</p>

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