「石川の朝とれもん」プロジェクトにみる地域水産物の活用と「見える化」への取り組み

書誌事項

タイトル別名
  • Trying to Make Good Use of Regional Seafood and to Set “Visualization (Mieru-ka)”
  • 「 イシカワ ノ アサトレ モ ン 」 プロジェクト ニ ミル チイキ スイサンブツ ノ カツヨウ ト 「 ミエル カ 」 エ ノ トリクミ
  • Notice of “Ishikawa no Asa-tore-mon” Project

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抄録

<p>本稿では,金沢市中央卸売市場の「朝セリ」で扱われる石川県内産鮮魚を活用して2012年4月から取り組まれている「石川の朝とれもん」プロジェクトとそこに参加した業者による「見える化」活動に注目した。</p><p>その結果,多くの業者の場合,販促ツールを用いた「見える化」が意識的に,活発に行われたのは半年後までであった。ロゴシール貼付や商品棚へのPOP掲示も,各社その継続は乏しく,メニュー提案や試食への取り組みは少なかった。構築されたブランドを最終的に消費者に発信する販売段階での「見える化」の意識的なとりくみとその継続の難しさが見て取ることができた。鮮魚仲卸・販売店や寿司店では,積極的な声掛けや「朝セリ」「朝とれもん」の解説が継続的に行われていた。これと比して量販店は,「朝セリ」「朝とれもん」の活用の継続に消極的な感想やマイナス面での意見が目立ち,1年経過後に活動がみられる場合も店舗により散発的,断続的なものであった。また,生産者の関わりは,出荷以外では具体的な姿となっていない。「朝セリ」を多く活用している支所でも,「朝とれもん」活動に対する強い意識や,積極的な関与がなかった。そして,消費者の「朝セリ」「朝とれもん」の認知が低いことも判明した。資源活用や流通環境の改善には関係主体間での「学び・伝達・働きかけ」の充実と連携が必要となるが,消費者の学習姿勢やコスト感覚が未成熟である点への懸念もみられた。</p>

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