胸椎圧迫骨折で発症した小児急性リンパ性白血病の4歳女児例

  • 岡本 駿吾
    大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学
  • 左 信哲
    大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学
  • 時政 定雄
    大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学

書誌事項

タイトル別名
  • Vertebral compression fracture as an initial presentation of pediatric acute lymphoblastic leukemia in a 4-year-old girl

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説明

<p>小児急性リンパ性白血病は発熱,貧血,出血傾向など多彩な症状で発症するが,診断前に脊椎圧迫骨折を生じる頻度は低い.症例は4歳女児で,腰痛で近医整形外科を受診し単純X線にて第10胸椎圧迫骨折を指摘された.単純MRI検査で第10胸椎椎体近傍に腫瘤を認めたため精査目的に当科を紹介された.骨髄検査の結果B前駆細胞性急性リンパ性白血病と診断された.化学療法によって完全寛解が得られ,現在は維持療法を継続し寛解維持している.発症時の第1腰椎から第4腰椎の骨密度は−4.5 SDと低下を認めた.白血病の治療期間中,胸腰椎全体で椎体の減高を一時的に認めたが,圧迫骨折の再発はなく経過した.椎体の圧迫骨折を伴って発症した急性リンパ性白血病患者の臨床的特徴はまだ解明されておらず,化学療法開始後に別の椎体の圧迫骨折が出現したり,椎体修復不全のリスクが上昇する可能性があり,骨密度の低下に対して早期に介入すべきか検討が必要である.</p>

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