脳動脈瘤に対するHybrid Neurosurgery

書誌事項

タイトル別名
  • Hybrid Neurosurgery for Complex Cerebral Aneurysms
  • 脳動脈瘤に対するHybrid Neurosurgery : より安全な手術への取り組みとして
  • ノウ ドウミャクリュウ ニ タイスル Hybrid Neurosurgery : ヨリ アンゼン ナ シュジュツ エ ノ トリクミ ト シテ
  • ~より安全な手術への取り組みとして~

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抄録

<p> 最先端の脳血管内治療および開頭術によっても根治困難な脳動脈瘤は依然存在しており,その治療においてはbreakthroughが待たれる.今回,治療困難な脳動脈瘤に対しての直達手術と血管内手術を組み合わせたHybrid Neurosurgeryの治療効果と安全性について検討することを目的とした.2003年4月から2017年12月までに当科で治療を行った脳動脈瘤症例合計1140例中,Hybrid Neurosurgeryにより治療を行った合計10例を対象とした.平均年齢59.9歳(27~72歳),女性8名男性2名.脳動脈瘤局在は内頚動脈6例(眼動脈分岐部2例・海綿静脈洞部4例)・椎骨動脈3例・後大脳動脈1例であった.脳動脈瘤最大径は平均18.2 mm(4.5~30 mm)であった.直達手術は6例に橈骨動脈による高流量バイパス術を,4例に浅側頭動脈もしくは後頭動脈を用いた低流量バイパス術を行い,その術後に血管内手術によるinternal trappingもしくは脳動脈瘤コイル塞栓術を行った.術後症状の悪化を1例(術前modified Rankin Scale (mRS) 0→術後mRS 1)のみに認めた.経過観察期間の中央値は123.5ヶ月(32~184ヶ月)で,全例において脳動脈瘤の完全閉塞の維持が確認された.mRS 0‒1が8例・mRS 2が1例・mRS 3が1例であった.治療困難な脳動脈瘤に対するHybrid Neurosurgeryは治療効果が高く,かつ安全な治療法であることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • NEUROSURGICAL EMERGENCY

    NEUROSURGICAL EMERGENCY 25 (2), 224-230, 2020

    特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency

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