軽微な外傷でチャンス骨折を生じ遅発性神経麻痺に至った高齢者びまん性特発性骨増殖症の2例

  • 横田 美帆
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 海老原 貴之
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 谷口 慎一
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 鈴木 涼平
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 田村 洋行
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 天笠 俊介
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 柏浦 正広
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 千々和 剛
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 下山 哲
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
  • 守谷 俊
    自治医科大学附属さいたま医療センター救急科

書誌事項

タイトル別名
  • Diffuse idiopathic skeletal hyperostosis in elderly patients with chance fracture leading to late onset nerve palsy due to minor trauma : Report of two cases.

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説明

<p>軽微な外傷でチャンス骨折を生じ, 遅発性神経麻痺に至った2例を経験した。2症例の共通点は, 後期高齢者であること, 転倒による軽微な外傷が受傷機転であること, びまん性特発性骨増殖症 (diffuse idiopathic skeletal hyperostosis ; DISH) を伴っていることであった。DISHを伴う脊椎骨折は初期診断が不正確になりやすく保存治療で骨癒合が得られにくいため, 遅発性神経麻痺が出現する傾向がある。転倒による腰背部痛では第一に圧迫骨折を疑うが, DISHを伴った高齢者では, 軽微な外傷でも破裂骨折やチャンス骨折の可能性を常に考える必要がある。診断の遅れや手術待機期間の長期化は遅発性神経麻痺発生リスクとなる。わが国では超高齢者のさらなる増加が予想され, 同様の経過をたどる症例が増加する可能性があり救急医にも慎重な対応が求められる。</p>

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