セミノーマに対する予防的放射線療法が原因と考えられた腎血管性高血圧の1例

DOI
  • 深瀬 達也
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 土肥 智貴
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 遠藤 裕久
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 高橋 大悟
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 高須 清
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 華藤 芳輝
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 岡井 巌
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 岩田 洋
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 岡崎 真也
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 磯田 菊生
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 宮内 克己
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座
  • 代田 浩之
    順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Renovascular hypertension after adjuvant radiation therapy for seminoma:Report of a case and review of the literature

抄録

<p> 症例は56歳,男性.30歳時に精巣腫瘍に対して高位精巣摘除術,予防的放射線療法(20 Gy,10回)が施行された.35歳から高血圧症を指摘され内服加療が開始となり,血圧高値に伴い入院4カ月前に当科を紹介受診となった.血液検査では高アルドステロン血症およびレニン活性高値を認め(アルドステロン308 pg/mL;基準:30-159 pg/mL(臥位),レニン活性8.8 ng/mL/h;基準:0.2-2.3 ng/mL/h(臥位)),腹部超音波検査では右腎動脈に加速血流(2.4 m/s)を認めた.腎血管性高血圧が疑われ,大動脈造影では両側の腎動脈起始部に高度狭窄所見を認めた.加速血流の存在から右腎動脈への治療が優先されると判断し,同部位へ経皮的腎動脈形成術を施行した.本症例は腹腔動脈直下から左総腸骨・外腸骨動脈にかけて限局した石灰化を認め,両側腎動脈近位部は著明な石灰化を呈しており,病歴から放射線照射の晩期合併症と考えられた.小児期から青年期に行われた放射線照射後の晩期合併症に関しては,実際に放射線照射が行われた施設における診療情報が得られないことも多く,看過されやすい.近年,腫瘍関連心血管合併症が社会的注目を集めており,放射線照射後の腎血管性高血圧に関して文献的考察を加えて報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 51 (10), 1035-1041, 2019-10-15

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1391412881271536384
  • NII論文ID
    130007964431
  • DOI
    10.11281/shinzo.51.1035
  • ISSN
    21863016
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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