視線認知課題遂行時の脳内活動計測─自閉スペクトラム症の病態解明に向けて─

  • 村松 優希
    新潟大学大学院自然科学研究科電気情報工学専攻人間支援コース
  • 杉本 篤言
    新潟大学大学院医歯学総合研究科地域精神医療学寄附講座
  • 吉永 清宏
    新潟県立精神医療センター精神科
  • 林 剛丞
    新潟県立精神医療センター精神科
  • 江川 純
    新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野
  • 飯島 淳彦
    新潟大学大学院自然科学研究科電気情報工学専攻人間支援コース 新潟大学医学部保健学科 新潟大学工学部人間支援感性科学プログラム
  • 染矢 俊幸
    新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Brain Activity Measurement during Gaze Cognitive Tasks–To Elucidate the Pathology of Autism Spectrum Disorders–
  • 視線認知課題遂行時の脳内活動計測 : 自閉スペクトラム症の病態解明に向けて
  • シセン ニンチ カダイ スイコウジ ノ ノウナイ カツドウ ケイソク : ジヘイスペクトラムショウ ノ ビョウタイ カイメイ ニ ムケテ

この論文をさがす

抄録

【目的】自閉スペクトラム症の視線認知における脳内基盤解明を目指し,定型発達の視線認知活動を捉えることを目的とした.【対象と方法】定型発達3名を対象として視線認知課題中の脳活動を脳磁図(MEG)で記録した.課題では,研究対象者に「手がかり刺激が示す方向に従い,左右どちらかに呈示される標的刺激へ視線を移動する」よう教示した.手がかり刺激には,側方視した両眼の写真(Gaze条件)と矢印図形(Arrow条件)の2種類を用意した.脳磁図の解析は,刺激呈示から-100 ~ 700 msの区間を,2条件それぞれ約128回加算平均した.結果をSPM12によりMSP法を用いて分布電流源推定を行った.【結果】Gaze条件では,刺激呈示後160 ~ 200 msで顔および視線の動きに特有の反応であるM170がみられた.これらの活動は紡錘状回および上側頭溝付近にみられた.【結語】Gaze条件で「視線の動き」を認知する脳活動が観察されたため,本課題により視線認知における脳内活動を検出できる可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 小児の精神と神経

    小児の精神と神経 60 (4), 299-307, 2021

    一般社団法人 日本小児精神神経学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ