ローム台地のS波速度構造と地盤震動特性:栃木県宇都宮地域を例に

  • 中澤 努
    産業技術総合研究所地質調査総合センター
  • 長 郁夫
    産業技術総合研究所地質調査総合センター
  • 坂田 健太郎
    産業技術総合研究所地質調査総合センター

書誌事項

タイトル別名
  • S-wave velocity structures and ground motion characteristics of loam terraces: The case of the Utsunomiya area, Tochigi Prefecture, central Japan
  • ローム ダイチ ノ Sハ ソクド コウゾウ ト ジバン シンドウ トクセイ : トチギケン ウツノミヤ チイキ オ レイ ニ

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説明

<p>一般に地盤が良いとされるローム台地において,ローム層が地盤震動特性に与える影響を知るために,栃木県宇都宮地域で段丘面ごとに微動アレイ観測を行った.その結果,調査地域の段丘を覆うローム層はS波速度が130~150m/sと低いこと,また古い段丘ほどローム層が厚いために深度30mまでの平均S波速度は低く,H/Vスペクトルのピーク周波数も低周波側にシフトすることが明らかになった.一方で,鬼怒川や五行川などの河床は主に礫質堆積物からなりローム層を欠くため,河川沿いの低地では平均S波速度は高く,H/Vスペクトルでは高周波にピークがみられた.つまり調査地域では,低地面や低位の段丘ほど堅固な地盤であり,高位の段丘ほどローム層が厚く,軟らかい地盤であるといえる.高位の段丘では,地震の際にやや低周波の揺れが大きく増幅される可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 126 (6), 311-326, 2020-06-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (21)*注記

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