渦巻きポンプの運転原理とスルザー社製品の実例

書誌事項

タイトル別名
  • Operational Principle of Centrifugal Pumps and Its Example from Sulzer Products
  • ウズマキ ポンプ ノ ウンテン ゲンリ ト スルザーシャ セイヒン ノ ジツレイ

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説明

<p>製紙プラントでは蒸解工程・抄紙・苛性化・排水処理工程に至るまで,いわゆる水ポンプやパルプ用ポンプ,定量薬液ポンプなど多機種に亘るポンプが使用されている。ポンプは流体を移送する機能により,設備の要となる。これらポンプで最も数の多いのが渦巻ポンプである。渦巻ポンプではインペラの回転が生む遠心力によって中心部の圧力が下がり,貯槽水面に働く大気圧の作用で揚液はポンプ内に押しあげられる(吸込運動)。一方,揚液は外周部に押しやられ,ポンプ外に送り出そうとする(吐出運動)。こうした吸込運動と吐出運動を連続的に行うのが渦巻ポンプである。その設計においてはNPSH(Net Positive Suction Head),最少連続安定運転流量(Minimum Continuous Stable Flow)など,設計者が配慮すべき要点がいくつか挙げられる。また,ポンプの揚程を決定するに際して配管圧力損失を求める必要があり,パルプ懸濁液に関しては1930年代にBrechtおよびHellerによる低濃度領域での流速変化による圧力損失の挙動の議論もあるが,これに加えて弊社では前身となるAhlstrom時代に測定された口径・濃度別の圧力損失グラフを独自に保有している。特に中濃度の領域(7~15%)での圧力損失の計算方法は1963年のVernon B. Bodenheimerの式を基に,独自の計算式を確立しており,中濃度ポンプの選定においては現在もこれを採用している。また,弊社では製紙業界の各アプリケーションに適したポンプ,インペラ形状の型式選定ガイドラインが設けられている。現在,産業界では,いわゆるIoT技術が順次導入されている。当社でもセンサーの出力情報をクラウド経由で共有するシステムを開発し,欧米ではすでにこれを予防保全などに活かす取り組みが始まっている事を申し添えたい。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 74 (8), 808-814, 2020

    紙パルプ技術協会

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