B型肝炎ウイルス(HBV)治療薬のラインナップはインターフェロン製剤と核酸アナログ型逆転写酵素阻害薬に限られており、その選択肢は驚くほど少なく、さらにそれらによるHBV感染の完全なる治癒は難しい。そのため新規治療薬の開発が強く望まれるものの、その開発研究は思うように進んでこなかった。本稿では、これまでHBV治療薬開発の妨げとなっていた主な要因、またそれを克服することにより近年急激に加速してきた感染機構の解析や創薬研究を紹介する。B型肝炎創薬研究は、まさにこれからである。
Farumashia 56 (12), 1079-1083, 2020
The Pharmaceutical Society of Japan