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- 平本 貴義
- 九州労災病院整形外科
抄録
<p>【目的】比較的稀な踵骨骨端線損傷の1例を経験したので報告する.【症例】12歳男児.現病歴:5歳より体操競技を始め,2年前より体操競技の際は常に右踵部に疼痛を認めていた.床運動で,ジャンプをしようと踏み込んだ際に強い疼痛あり,以後歩行困難となり当科受診した.画像所見:単純レントゲン像・CT像にて踵骨アキレス腱付着部の近位1/2の骨端核が頭側に10mmほど転位しており,踵骨骨端線損傷と診断した.手術時所見:骨片を牽引して整復し,足関節底屈位でK鋼線2本とsuture tapeでテンションバンド法にて固定した.後療法:術後4週からアキレス腱装具にて全荷重開始.術後2か月で装具除去し,術後4か月で体操競技に復帰した.術後8か月で抜釘を行い骨端線は閉鎖して癒合した.【考察】アキレス腱による過剰な牽引力が骨端核に加わり,成長軟骨板が破綻し骨折を生じたと考えられた.手術においては骨端線に影響の少ない鋼線固定を選択しsuture tapeによる締結を加えることで強固な固定が得られ,経過も良好であった.</p>
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 69 (3), 622-624, 2020-09-25
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1391693801399421440
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- NII論文ID
- 130007938508
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可