初発APLの治療

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タイトル別名
  • Therapies for newly diagnosed acute promyelocytic leukemia
  • ショハツ APL ノ チリョウ

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抄録

<p>未治療の急性前骨髄球性白血病(APL)では,全トランスレチノイン酸(ATRA)と化学療法の併用が長らく治療の中心であり,様々な臨床試験が行われてきた。本邦で実施されたAPL204試験では7年無イベント生存率79%,7年全生存率87%と良好な成績が得られている。しかし近年,海外ではATRAと亜ヒ酸(ATO)の併用が主流である。特に白血球数1万/µl以下の標準リスクAPLでは,ATRA+ATOとATRA+化学療法の無作為化比較試験によってATRA+ATOの有効性が示されており,その長期生存率は90%あるいはそれ以上に達する。ATRA+ATOによって標準リスクAPLは化学療法をほぼ用いることなく治癒が目指せる時代となっており,また高リスクAPLでもその有用性が期待されている。本稿では,本邦でもATRA+ATOが近い将来に実施可能となることを期待し,海外でのATRA+ATOの知見を中心にまとめる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (9), 1166-1173, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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